BCのセミリタイアまでの道のり

最近は米国株、ETFなどを不定期にレポートしてます。皆さんのお役に立てば嬉しいです。

米国と日本のIPO投資は投資と投機くらいの違いがある

【米国と日本のIPO投資は投資と投機くらいの違いがある(事実)】

国内の証券会社で4年弱勤務して毎月のようにIPOを販売していました。

また2019年3月からは米国IPO投資を自己資金で3銘柄でしてきた結果見えた違いが、

同じIPOであっても米国と日本とでは投機と投資くらいの差があると学べましたので、

その事について記事にしたいと思います。

 

【日本のIPO投資について】

日本でもIPOの投資は行われていますね。

これは営業する側として携わっていましたが、大体はブックビルに申し込みをして、

配分を受けられた場合に、上場初日の寄り付きで成り行き売り注文をかけておいて、

公募価格から寄り付き価格の値上がり益を享受するという投資法が主流でした。

ググれば以下のようなホームページも簡単にヒットしてきます。

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2013年1月~2017年5月は288勝43敗7分けでした。さらには、全体の38%の銘柄が初値2倍以上となりました。公募価格を下回るケースもありましたが、それでもIPO投資のパフォーマンスが良いことがわかります*。
(中略)
人気のある銘柄になると、ただ初値が公募価格を上回るだけでなく、一気に株価が何倍にも上昇することがあります。2013年以降のIPOで、最も初値が上昇したCRI・ミドルウェアは株価が5.6倍にもなりました。
(参照)https://froggy.smbcnikko.co.jp/4474/
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日本株IPO投資の問題点】
まずブックビルに申し込んでも人気の株が配分される可能性はほぼゼロになります。
ですので残念ながら、たくさんのネット証券に口座開設をしブックビルに申し込んだとしても、骨折り損のくたびれ儲けになる可能性が高いわけですね。これはサイト側のアフィリエイト収入になるだけであると考えています。そのため率直に言いまして、確率から考えるとこうした投資手法には関わらない方が良さそうです。

【引受証券会社と営業戦略】

その理由ですが、引受証券会社とその営業戦略にあります。

まずこうした公募株は上場にあたっての幹事証券に配分されるのですが、主幹事、副幹事等々、その上場に携わる証券会社によって配分株式数のランキングがあります。

そうした時に強いのはネット証券ではなく、営業部隊のいる対面型の証券会社の方が影響力が強いために、主幹事に入ることも多いわけですね。

ですので、そもそもネット証券にはブックピルディングが多かったとしても配分される株自体が少ないわけです。

また対面型の国内大手証券会社では、その限られた株数をお得意先の顧客に優先的に配分をします。その順番はもちろん、収益をもらえる顧客になるので、手数料収入が多い順、あるいはこれから期待できる顧客になります。

そのため、闇雲にブックビルに申し込んでも、配分される可能性はほぼありません。

例外的に配分されるとすれば、いわゆる大型上場の場合に、売り出されるまたは新規発行株式数が多い場合があります。

ただ、その場合には需給が緩いのであまり初値での公募価格からの値上がり益は期待できず、もしくは寄り付きで公募価格が下回る自体も起こり得るために、あたっても損をする可能性が出てきてしまうわけです。

最近ではソフトバンクの上場がありましたが、あれは手を出してはいけないブックビルであったことは理解してもらえると思います。

こうした上場に関して、顧客への十分な説明があったかどうかが、信頼できる証券会社になれるかの違いになろうかと思いますが実際はどうだったんでしょうか。

結局のところ需給頼みの投機的な手法だと言って良いと考えます。

 

【米国IPO投資はハイリスクだが長期的な上昇も見込める】

さて一方で、米国のIPO投資はどういうものでしょうか。

基本的にはブックビルディングには参加しません。

上場後の株を場で買い付けることになります。

例えばリフト(ティッカーシンボルLYFT)は寄り付きで大幅に上昇したものの、
その後値下がりを続け、以前寄り付きの株価まで回復はしていません。

確かに価格変動が大きくハイリスクであると言えます。

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公募価格:72USD

3/29寄り付き:83.77USD

4/29終値:60.59USD

参考:ネット証券口座から筆者自作になります

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しかしながら米国IPOは決して上場ゴールでそこからの成長を望めない銘柄ではなく、
きちんと企業を選択すれば長期的には成長が見込める企業に投資ができるのです。

そのためには個別銘柄の分析、市場や競合の同行を把握し、競争優位性を理解した上での投資が必要になります。

ただ、これは銘柄や時間を分散してリスクのコントロールをすれば良いわけですので、

ブックビルで抽選にかけて、初値寄り付きで公募価格との差額を利食いする方法とは

違うと言えるでしょう。要は投資になるわけです。

 

【米国と日本の違いをよく理解して、成長への投資を検討してみませんか】

もちろん、個別株の投資に、かつ上場したてで決算もこれからという企業になるわけですので、

リスクの高い投資と言え、銘柄選択が重要になります。

ただ、そのリスクを受け入れること、あるいはヘッジすることができれば、

米国で上場してくる銘柄というのは今後の成長も期待できる企業であることもありますし、

無駄に抽選結果で一喜一憂することもありません。

ですので、いわゆるグロース株への投資が主になりますが、

一度こうした米国グロース投資を検討してみても良いのではないでしょうか。