BCのセミリタイアまでの道のり

最近は米国株、ETFなどを不定期にレポートしてます。皆さんのお役に立てば嬉しいです。

高配当株投資のピットフォール

  • 高配当株投資は、配当金のモチベーションで相場の荒波を乗り越える手法

 

米国高配当株投資で成功している投資家の方がよく見られますし、本当の意味での不労所得と評されていますが、投資を続けていくという点でもプラスの働きがあります。

それは、配当金を得た時になんとも言えない幸福感がある訳ですね。

私も1銘柄だけありますが、
知らない間に日本円が増えているのを見た時には、
お金を拾ったような驚きと、もっと増やしたいという衝動を感じられました。

また長期に投資をしていく際には必ず暴落に直面するために、その準備が必要ということで、その時には自分の資産が目減りしていく現実に迫られ、
精神的にかなりこたえると言われます。

そんな場合に配当金があることで自分の投資が前進していると感じられるということ
すね。

それは確かに一理あると思います。

ただ、だからと言って高配当株投資を選択して良いのかというのが本記事の趣旨になります。


決算書にはその企業の性格が表れる

 

私は証券マンとして未上場法人の決算書を見ながら新規開拓営業をしていたのと、
株式の販売の時には上場企業の決算書を目を皿にして見ていました。

その経験から言えるのは、決算書にはその企業の性格が表れるということです。

なぜかはわからないのですが、ある時期から決算書には企業の経営戦略が明確に表れるようになります。

それは営業キャッシュフローや投資キャッシュフローによく出てきます。

あるいは資産や負債からも出てきます。

固定費が多い企業と変動費が多い企業の経営スタイルは全然違います。

印象的だったのはファナックですが、現金がどんどん増えていくのですね。健全な財務とはこのような企業のことを言うんだなと。

一方でソフトバンクなんかは投資キャッシュフローが常に高い状態にあったり、いかに効率的に経営をしていくかを追求していることがよく見て取れます。

ここでは、どちらが良いかの議論をしたいわけではなく、あくまでの決算書に企業の性格が表れると言うことです。

その点から、私の投資方針では、四半期決算に置いてコンセンサス目標と実際の結果についてを投資の判断基準にもしています。

決算書とはその時だけたまたまそうなると言うわけではなく、
企業の性質を表しているとも考えています。

そうした時に、通常の企業分析に加えて、
高配当株式投資での配当利回りと配当性向を評価することはとても大事ですね。

これらは急激に変わることはない、企業の方針を示すと考えますので、
銘柄選択の基準とすべきでしょう。


配当利回りは高いが取り巻く環境が変化している銘柄には要注意

 

ただ、そうは言ってもやはりビジネスの取り巻く環境の変化には要注意です。

最近ではタバコ銘柄が高配当株式投資で取り上げられますが、タバコビジネスが変容していることは念頭に置く必要があります。

JTM&Aにより成長を続けてきたために、良好なビジネス環境を維持してこれたので高配当を維持し続けられたのですが、
もはや買収対象になる企業は残されておらず、電子タバコへの対応を迫られる中で、
これまでのように高配当株として投資妙味を持たせられるかには疑問があります。

つまり経営上のリスクは大きくなり、今後の成長に不透明感がましていると言えますね。それであっても配当利回りの高さから高配当株として取得するのかは、よく投資方針を考えた上で行うこととなるでしょう。

 


本当に安定したビジネスを築いている銘柄は低利回りになる

 

これはやはり株価水準が高めに推移してしまうと言うことで、
配当性向、配当利回りも長年確立したものがあり投資家のことをよく考えていて
なお経営上も視界良好な企業というのは
買いやすく資金流入も起こりやすいため決して投資妙味は高くないという事態も起こります。

こういう銘柄もまた買いにくいもので、買うタイミングが暴落時などに限られてしまうため、一般の投資家に向けて窓が空いているタイミングは数年に一度程度となってしまいます。そうした時に購入できたいのであればインデックス投資の方が良いとなるでしょう。配当時の税の繰り延べ効果もなくなってしまうわけですから。

相場が好きで、個別銘柄の研究に余念がなくという条件が必要ですので、
ある程度時間も労力も捧げることになりますね。それが本当にやりたいことかどうかを考えて行うことですね。

銘柄としてはマクドナルドやジョンソンエンドジョンソンと言ったところでしょうか。

結局のところ、配当で株主に還元する習慣を有している、安定成長企業が対象になるわけです。

なお今回はリートなどの上場投信は除いて検討しています。

 


高配当株投資は投資法の一つ

 

高配当株投資は魅力的であれど、成功させるのであれば買いのタイミングが数年の一度と限られてしまう、タイミングに依存した投資になってしまう、

かつ事業環境の変化によりこれまでの過去の実績が将来に渡って続くとは限らないことが高配当株式の落とし穴だと考えています。

タイミングに関しては順風満帆な時にドルコスト平均法で購入しても良いのですが、誰もが買える時には利回りは決して高くはなってこないことは自明ですね。

さらには、配当金受け取り時の課税もあります。

そういう意味で、私は決して配当で受け取らなくとも資産が最大化できれば良いと考えますので、基本的にはグロース株投資を続けて行きたいという方針です。

もしも高配当株式を魅力的な水準で購入できることがあれば、その時には出動しますが、それはいつ来るかわからないので気長に待つことにしています。

ですので、投資法としては通常時はインデックス投資プラスグロース株個別投資、ショック時に高配当株投資としていくのが現状の解となると考えています。

だからこそショック時に強いマインドで購入できる体制を作っておくことが高配当株投資のもっとも重要な点でしょう。