【金融リテラシー】元証券マンがかんぽ生命の事件について考える
こんにちは。BCです。
最近かんぽ生命のニュースが多く報道されていて、なんて非道いことをするんだと思われていますよね。
これは、古い金融業界の悪い部分が出ていて、とても今では考えられないような仕事をしていたのですが、
なぜこうした事件が怒ったのかについて考察したいと思います。
手数料収益に頼る古き証券ビジネスの限界
BCが過去にお世話になった証券会社もですが、
日本の証券業界では手数料収益により利益を稼ぐビジネスが中心になっていました。
顧客の資金の流れを考えますと以下の2通りの方法が考えられます。
1は仕事としてはとても大切なものなのです。
何故ならば1ができればそこから2に移るのは簡単だからです。
誰だって、最初にものを買うのにはハードルがあってもその商品から乗り換えをするのは簡単なものです。
また一方で金融商品というのは通常の製品とは違って、
中身というのは株や債券と言った証券の組み合わせたにいろんな権利を組み合わせたものです。
それだけであればリスクを分散したり、リターンの範囲を幅広くすることができる、
投資信託のようなものができるのですが、
そこで手数料を主に二つ設定しているのです。
- 購入時の手数料
- 保有時の手数料
それで日本の証券ビジネスはこの2つの手数料を稼ぐことで成り立っていたわけです。
さて、こうした時に仕事をする側、販売員や営業員が少しでも効率よく稼ぐことを考えるとどうなるのでしょうか。
それは、購入時の手数料が高いものに頻繁に商品の乗り換えをすることです。
さてその時に対象はどんな顧客になるのでしょうか。
この答えは資産家ですね。
お金があればこそ金融商品が買えるのですからこれは当たり前のことです。
そしてもう一つには、手数料というのは購入金額あたりの%で設定されています。
実際に手数料の稼げる額は
1億円の1%は100万円で、
また100万円の1%は1万円です。
100万円の手数料を稼ぐには、1億円の取引ができれば1回で済むものを、
100万円の取引の場合なら100回する必要があります。
こうして、額の小さな取引しかできない営業員、販売員はとにかく頻繁に顧客の金融商品の乗り換えを推奨していくこととなるのです。
高齢者の頻繁な回転売買は金融商品取引法で規制されている
さて、こうした回転売買を頻繁に行うのに一番手っ取り早いのはどういう顧客かというと、
こういう言い方はよくないのですが金融リテラシーの低い方が対象になります。
普通、お得意様にはいい商品を提供するのがビジネスの常識ですよね。
だからこそ顧客は営業員、販売員の言葉を信頼して取引をするのですから。
でもここで金融商品の場合はその商品の特性と、手数料収益を狙っていることにより、
ある意味異常な自体となるのです。
それは不要な金融商品を得意客に売りつけてしまうことですね。
特に金融リテラシーはご高齢な方ほど低いのが現実としてあります。
何故か知らないのですが、高齢の方は金融についての理解が低かったりします。
だから、高齢者が標的にされる、となるのですから流石にそうした流れは以前から問題になっていまして証券業界では随分と前から金融商品取引法により規制されています。
それが何故かかんぽ生命では許されていたんですね。
これはそれだけかんぽ生命は金融商品の販売に置いて、遅れている会社であることを示しています。
また、マイナス金利もあり、国債での運用で利益をあげることもできないために、
収益源が限られてしまっていることもあるでしょう。
金融リテラシーを高めて自分に必要な金融商品を理解しよう
本来であれば金融サービスの業界が金融リテラシーを顧客に教育する、
もしくは真に有用な金融サービスを提供することが当たり前なのです。
でも現実にはそうなっていません。
残念ながら、金融リテラシーが高い方は少なく、
金融ビジネスを展開する企業も目先の収益を追いかけたり、
顧客に本当に必要な金融商品を提供することができずにいます。
BCの父親も証券会社との付き合いがありますが、提案してくる商品は残念なものばかりです。無駄に手数料が高かったり、そもそも投資方針に合わないものを進めてきます。
そのため、個々人の金融リテラシーを高めていくことでしか、自分の身を守ることはできません。それはせっかくの資産をみすみす企業側に搾取されてしまうということです。
私BCは元証券会社の社員でありますので、ぜひ証券会社が本当に必要な金融サービスを顧客に提供できるようになる未来を心から願っていますが。
さて、日本は成熟国となり金融サービスとの付き合いが必要であることは変わりません。
これから、かんぽ生命のような事件がなくなり、必要な金融サービスが必要な人に提要されるようになりますように。
それでは今日はありがとうございました。
皆さんの日々が素晴らしいものとなりますように。