【銘柄研究】公益セクターで株式投資の幅を広げよう!アメリカン・ウォーター・ワークス(AWK)について。
こんにちは。
今日は公益セクターのアメリカンウォーターワークス(以下AWK)について調べていきたいと思います。
公益セクターの銘柄のポジションを持てるようになると、他の多くの銘柄とは違う動きをすることが多く、投資の幅が広がる感覚をもてます。
ただ、特有の落とし穴もあるので、その辺りの理解を深められたらと思います。
それではよろしくお願いいたします。
データソースは主として以下のサイトになります。
- AWKってどんな会社?
- AWKの経営効率は良くない?
- AWKの売り上げについて
- 売り上げのほとんどは規制ビジネスになっている
- AWKのEPSは右肩上がり
- AWKのPERからEPSを上回る株価上昇を続けていることがわかる
- AWKのSPSはさらに綺麗に上昇し、株価はSPS比で6倍となった
- BPSも増加を続けている
- 資本は安定的に増加し負債はこの数年で倍増しD/Eレシオは最も高い
- ROIは分母の資産の増加に引っ張られ低い
- CFC/Shareはマイナスに転じ、その後もマイナス幅が拡大している
- 一方で利益率は悪くはなく、むしろ高い
- 営業キャッシュフローは増加を続けるも、投資キャッシュフローのマイナスがそれを上回る増加によりフリーキャッシュフローはマイナスが続く
- まとめ
- 最後に
AWKってどんな会社?
AWKをbloombergで調べると以下のように記載されています。
企業概要
これなら私でもわかります。
水道会社です。
こうした伝統的なビジネスの方がIT系の新しいものよりわかりやすいですね。
AWKの経営効率は良くない?
時価総額は2兆円くらいで、日本株で1部上場の結構有名な会社、くらいの規模感になります。
自己資本比率は27%と負債が多く、ROA、ROEともに低いです。
アセットあたり、エクイティあたりのリターンが低いと言うことで、この辺の経営効率の改善は課題になっているのでしょう。
AWKの売り上げについて
2008年からの売り上げはほぼ規則的に動いているのでは、と言うほど安定した右肩上がりとなっています。2010年前後に少し凹みがありますが、それ以外は変化に乏しいと言っても良いくらいです。
民間企業の売り上げとは思えない感覚ですね。
売り上げのほとんどは規制ビジネスになっている
AWKの売り上げの中身を見てるとその正体が少しわかります。
規制ビジネスが8割強となっており、これが売り上げを安定させている理由ですね。
規制ビジネスの売り上げが少しずつ増加していることがわかります。
AWKのEPSは右肩上がり
EPSが個別株投資においては最も大切な数値ですね。
2008年から2010年まで赤字になっていましたがそこからは大きくはないものの安定した成長を示しています。
AWKのPERからEPSを上回る株価上昇を続けていることがわかる
EPSの後は株価と照らし合わせて見たくなりますので、PERを確認します。
PERが10倍台だったのが最近では30倍を超える水準に落ち着いています。
金融政策などの外的要因があったにしても、株価がEPSの増加速度を超えて上昇していることがわかります。
これはAWKのビジネスに対しての信頼が現れているように見えますがいかがでしょうか。
AWKのSPSはさらに綺麗に上昇し、株価はSPS比で6倍となった
SPSもしっかりと伸びていますが株価の上昇はそれを上回っています。
PSRでは株価をSPSで割った数値になりますが、少なく見ても6倍になっています。
素晴らしいです。
BPSも増加を続けている
BPSが増加し続けていますが、PBRは株価がそれを上回る上昇をしていることを示しています。
資本は安定的に増加し負債はこの数年で倍増しD/Eレシオは最も高い
債務も株主資本も増え続けていますが、特に最近の債務の情報は目立ちますね。
金融緩和があったからかもしれません。
D/Eレシオは2006年以降では最高の水準にありますが、株価の上昇によって低下しつつあります。
株が上がる資本が増えて借金がしやすくなりますね。
ROIは分母の資産の増加に引っ張られ低い
ROIで投資効率を確認します。
2020年で4%程度なので、とても低くてこの辺りは課題になるのでしょうね。
CFC/Shareはマイナスに転じ、その後もマイナス幅が拡大している
さてキャッシュフローですが、FCF/Shareが下がってきてマイナスに転じています。
これはちょっと残念です。
プライスあたりでは当然ゼロ(評価不能)になります。
一方で利益率は悪くはなく、むしろ高い
営業利益は30%は超えていますので良いですし、純利益も十分です。
フリーキャッシュフローがマイナスになる要因はなんでしょうか。
営業キャッシュフローは増加を続けるも、投資キャッシュフローのマイナスがそれを上回る増加によりフリーキャッシュフローはマイナスが続く
営業キャッシュフローは増加を続けていますが、投資キャッシュフローのマイナスがどんどん大きくなっていてその結果FCFのマイナスとなっています。
この状態では現金も増やせるわけはなく、結構しんどいなと言うところです。
公益セクターは設備のメンテナンスにとても費用がかかるようですが、この辺が改善されてくるともう一段化けるそうで注意したいです。
これを補うために負債が増えていると言う状況で、これでは自社株買いもままならないから資産が増える一方なのもうなづけます。
まとめ
- AWKの収益力は高く、規制ビジネスによりこの10年間安定した右肩上がり
- 1株資産は増加を続け資本が増え続け、負債は近年大きく増加した
- 営業キャッシュフローの増加は続くも投資キャッシュフローそれを上回る上昇をみせ、1株キャッシュフローのマイナスの原因となっている
最後に
AWKの研究を行いました。
独占的で安定感のあるビジネスで投資家が評価を高めてきたことがわかります。
一方で、フリーキャッシュフローのマイナスを改善することは明らかに課題になります。
公益セクターならではかもしれませんが、設備の維持にお金がかかるのであれば以下にそのコストを減らしていくかになります。
しかし逆に言えば、問題はそれだけと言うことで、株価の上昇に支えられ負債を増やしてもこの金融緩和の状況であれば特に問題もないです。
公益セクターに投資すると株式投資の幅が広がります。
このセクターの特徴に注意をしながら、特に投資キャッシュフローの改善状況を追いかけて、投資判断をしていきたいですね。
それではご覧いただきありがとうございました。
みなさんの株式投資に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
ありがとうございました!!