BCのセミリタイアまでの道のり

最近は米国株、ETFなどを不定期にレポートしてます。皆さんのお役に立てば嬉しいです。

【銘柄研究】復活のファイザー(PFE)!?インカム狙いの銘柄で配当利回りは2010年以降最も上昇し余力も十分。課題は新たな収益源となるプロダクトか。

こんにちは。

今日はファイザー(以下PFE)の銘柄研究です。

米国の製薬会社ではトップクラスでしょう。

プライマリーケア領域のブームを巻き起こして世界トップの製薬会社になり、
その後の高分子医薬品競争では劣後し勢いが削がれてしまった、
そんな印象でしょうか。

欧州系のロシュやらノバルティス、アズトラゼネカの方が勢いを感じます。

ただ、M&Aの巧みさ、と言う点で秀でているようにも思えます。

これは疾患領域、薬剤のクラスにおいて栄枯盛衰の速度が早くなった現在においては
必須の能力になります。

そこで一度、PFE個別株で投資するなら、と言う観点で調べたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

 

データソースは主として以下のサイトになります。

 

PFEってどんな会社?

企業概要
ファイザー(Pfizer Inc.)は医薬品会社。 腫瘍、炎症、心血管疾患、その他の治療分野向けに医薬品、ワクチン、医療機器、消費者向け医療製品を提供。 世界で事業を展開。

シンプルですね。

医薬品会社です。

領域は広くて、プロダクトも様々、世界中に展開しています。

 

PFEの各種指標について

まずは全体像を見てみたい共います。

f:id:bokuchaninvest:20200613221901p:plain

PFEの各種指標
  1. 時価総額は20兆円くらいあり流石に規模がでかい
  2. 自己資本比率は37.7%と、これは高いとは言えない
  3. ROE25.5%と高いですね
  4. ROA9.8%とあと一歩ですが、負債が多いのでしょうか
  5. PER12.2倍と言うのはあまり安定的に成長するとは見られていないのでしょう
  6. 配当利回りは高いですね、4.4%となっています。
 
 

PFEの売り上げ構成比について

売り上げをみる前に、構成比を確認しておきます。

f:id:bokuchaninvest:20200613221417p:plain

売り上げ構成比

バイオファーマが76%となっています。

アップジョンが2割程度ありますが、これは後発品事業ですね。

 

PFEの売り上げは伸びてはいない

f:id:bokuchaninvest:20200614072257p:plain

売り上げの推移
  1. 売り上げは成長が一定しない
  2. この数年のマイナス成長により、15年前の売上高に戻った

正直、売り上げは成長がなければ厳しいですね。

マージンがどうなっているのかみたいです。

PFEの営業利益率は25%あり十分な競争力がある

f:id:bokuchaninvest:20200614073255p:plain

マージンの推移

上からグロス、営業利益、純利益率の推移になります。

波はありますが、決して悪くはありません。

純利益はともかく、営業利益を維持できているのは評価できるんじゃないでしょうか。

PFEの時価総額は2005年からレンジで、ほとんど変わっていない

f:id:bokuchaninvest:20200614074131p:plain

時価総額の推移

時価総額の推移を確認しました。

ここまで売り上げは厳しかったのですが、安定した営業利益率を示していることがわかりました。

時価総額では2009年に800億ドルまで落ち込みましたが、そこから20億ドルまで戻しています。

ただ、2006年から変わっていないこともあり、やはりこの15年は現状維持が精一杯だったことがわかります。

PFEのEPSも大きな成長はないが2016年から徐々に増加している

f:id:bokuchaninvest:20200614074618p:plain

EPSの推移

EPSも凸凹しています。
2016年から徐々に成長しています。

 

PFEのPERは12倍と低く成熟銘柄と言える

f:id:bokuchaninvest:20200614112837p:plain

PERの推移

株価が少しずつ成長してきています。

たまにEPSが増加して、それに合わせてPERが下がっています。

その後にEPSが戻しているので、またPERが上がるので、
株価があまりEPSにあまり反応していないようです。

あまり参考にならないですね。

 

SPSは右肩上がりでPSRの水準は切り上がっている

f:id:bokuchaninvest:20200614113514p:plain

PSRの推移

PSRは少しずつ切り上がっています。
これも分母の売り上げが安定していないこともあって、イマイチわからないですね。

SPSが少しずつ上がってきています。

ただ、レシオが切り上がっているので株価はそれを上回って上昇しています。

ただ、時価総額はあまり変わらなかったことと、売り上げ自体も右肩上がりではなかったので、株数が減ってきていると考えられます。

自社株買いをしているのでしょうか。

 

BPSも増加後増減し、PBRから株価の影響により上昇している

f:id:bokuchaninvest:20200614114110p:plain

BPSとPBRの推移

BPSは切り上がっています。

PBRの増加しているので、1株資産あたりの株価は増加してきています。

 

D/Eレシオは増加傾向にあり、負債は増加後高止まりし、株主資本はこの15年間で最も低い水準

f:id:bokuchaninvest:20200614114442p:plain

D/Eレシオの推移

これ面白いですね。

まずD/Eレシオは2009年に一気に増えた後、少しずつ高くなってきています。

株主資本も2009年に増えましたがそこから少しずつ減少してきていて、2008年の一番低いところと同程度になりました。

一方で、長期債務も2009年に一気に増えた後、2014年頃まで減りましたがそこからまた増えてきています。

2009年までとその後で財務が急変わりしています。

EPSの成長はそこからきているようです。

ただ、債務が増加し続けている訳ではないので、いわゆる成熟銘柄と言うことになります。

BPSの推移共合わせれば、自社株買いをし発行済み株式数を減らしていってるのは明らかですね。

 

ROIは改善傾向にある

f:id:bokuchaninvest:20200614115242p:plain

ROIの推移

 

ROIは2010年頃に4.78%とかなり低くなりましたが、
そこからはと切り上げて2020年に15.75%まで戻しました。
2007年のように20%中身をみるとまだ全盛期ほどではないですが、
しんどい時期を超えて、状況は良くなってきているようと言えます。

株価が上向きなのは自社株買いだけじゃなくて、ROIの改善にも理由がありそうですね。

 

FCFと営業CFは安定している

f:id:bokuchaninvest:20200614115834p:plain

キャッシュフローの推移

FCFは営業CFも含め増加はしていないもののプラスで推移しています。
営業CFをうまく使ってきていますね。
これをみていると時間をかければ少しずつ改善してきているのが納得できます。

株価の上昇の本質的な理由はここになりますね。

 

1株FCFはしっかりあるもののわずかに低下してきている

f:id:bokuchaninvest:20200614120535p:plain

PCFRの推移

フリーキャッシュフローは1株あたりで大きな変化はありません。

2018年から少し減少してきているように見えるのは気がかりです。

PCFRは2倍くらいになっています。

 

買収と従業員の削減を繰り返している

f:id:bokuchaninvest:20200614120910p:plain

従業員の推移

従業員は大きくは減少しています。

買収をしては人員削減を繰り替えしているようです。

 

PFEの配当金は概ね右肩上がりにあり、2010年以降は4%付近で安定している

f:id:bokuchaninvest:20200614121107p:plain

配当金と利回りの推移

配当金は2009年に少し減りましたがそこからは上昇を続けており、
2009年の0.5ドルだったのが1.5ドルと3倍に上昇しました。

従業員を減らしながらではあるものの、配当を増やし続けてきています。
株価ら結果として配当利回りは4%前後を維持しています。

この配当利回りがこれまでで最も株価の根拠になりそうな指標ですね。

ただ最近4%を越えているのが、何が理由かが気になります。

 

配当性向は6割を超えておらず、配当金を出す余裕は十分にある

f:id:bokuchaninvest:20200614164510p:plain

PFEの配当性向


6割にも達していませんので、
決して無理をして配当を出していようではないですね。

配当性向が問題ではないのであれば、分母のEPSが厳しくなと考えられているのでしょう。

直近で売りとなったのは、乳がんの治療薬で治験の失敗がありました。

www.nikkei.com

この辺のリスクは製薬会社ならではですね。

成功すると見込んで組んだプログラムなので、失敗するとダメージは大きいです。

まとめ

  1. PFEの時価総額は2005年から2020年で同程度
  2. 営業利益率は十分にありキャッシュを作り、財務も改善傾向にある
  3. ROIも改善傾向にある
  4. 合併とコストカットを繰り返している
  5. 配当金を増加が2010年以降は配当利回り4%の水準を前後させている
  6. 直近に治験の失敗により株価は1割下げている

最後に

いかがでしたでしょうか。
今回はPFEについて調べていきました。

売り上げを拡大するには苦戦していましたが、
コストカットもうまく収益性は十分でした。
結果としてROIの改善によもあるように財務が健全になってきていました。

株価については、最も綺麗に表しているのは配当利回りでした。

2010年以降に配当利回り4%を前後するように株価がついています。

現在は治験の失敗もあり、またこれまであったように今後の売り上げに懸念が広がっているように思います。

4%中頃まで配当利回りが増加しています。

決してここが買い場だとは言えませんが、
これまでのPFEであれば巻き返しも期待できるのではないでしょうか。

それでは本日はPFEの銘柄研究でした。

みなさんどうもご覧いただきましてありがとうございました。